さて、今回から各論について書いていきます。


まずは統計から。
個人的には鬼門でした。
私は文系出身なのですが、学部生の頃からこの統計が嫌いで嫌いで・・・
統計学の試験も、1年目が不可、2年目も不可、3年目にようやく追試で可、という悲惨なできでした。


SPH(公衆衛生大学院)の受験をする前から「統計どうしよう・・・」と心が暗くなっていたのですが。
医療系、特に看護系の方だと統計が苦手という方は少なくないかと思われます。
でも大丈夫です。
私も最初は苦手意識をもって騙しだまし勉強していたのですが、やるにつれてSPH入試で問われる統計は非常に基本的なものだということが分かってきました。
しっかり公式と概念を理解してしまえば、あとは基本的な数式操作だけで回答を導けます。
本番の試験でも、おそらく1問も間違えずにクリアできたのではないかと思っております。


【試験の概要】
統計(Statistics)は、公衆衛生一般(Health Science and Social Medicine)と合わせて【General Test】という科目の中で出題されます。
【General Test】の試験時間は100分なので、統計50分、公衆衛生一般50分と考えるのが良いのではないでしょうか。
問題数は統計だけで20問。一問あたり2.5分となり、ややタイトに思われるかもしれませんが、前半は一瞥で回答できるようなサービス問題なので、後半にかけられる時間はもっと長くなります。


【勉強方法】
統計が苦手な私は、見栄を捨てて「猿でもわかる統計本」の類を読み込むことから始めました。
まずはこれで、徹底して統計に馴れ、抵抗感をなくすことから始めています。
実際に私が使ったのは、

「統計学がわかる ハンバーガーショップでむりなく学ぶ、やさしく楽しい統計学」
「統計学がわかる アイスクリームで味わう、”関係”の統計学」

の2冊です。
名前の通り、統計の概念を楽しく、優しく伝えようと努めてくれている参考書でした。
この手の参考書は星の数ほどあるので、皆さんもご自分にあったものを探されるといいと思います。
ちなみに、統計を理解するための良書としてしばしば「統計学入門(東京大学出版)」が引き合いに出されますが(実際に良書だと思うし、Amazonの評価も高いです)、これは数学の基礎学力がない私にとっては全く入門書ではありませんでした。大学院でじっくり統計と付き合っていくうえで重要な本だと思うので購入はしましたが、SPHの試験対策には不要です。


上記の2冊で少しずつ統計に馴れはじめてくると、統計の概念を理解するには微分・積分と確率論を理解していないとだめだということが分かりました。
文系出身の私は微分・積分など習ったかどうかも定かではないレベルでしたので、これが大変だった・・・
YouTubeで「微分・積分 統計」などと入れると、それに関連した動画が山のように出てくるので、そのうちでひたすら分かりやすく解説してくれている動画に目を通しました。
あとは知恵袋や人のブログをサーフィンしつつ、私の感性にあった説明をしてくれているものを摘まみ食いしました。
こういう時に大切なのは、ある一人の説明に固執しないことだと思います。
説明の仕方は人それぞれ、自分にとって「あ、なんとなく分かるかも」という説明をしてくれている人を探しまくりましょう。


この過程を経ることで、統計の基礎的な概念と、基礎的な公式が少しずつ分かってきました。
あとはひたすら問題を解く。
問題を解くうちに、自分はどこまで統計が分かっていて、どこから分かっていないのかということが掴めて来るので、覚束ないところがあれば入門書や人のブログに戻り、そこを理解するように努めます。

ちなみに、他の人のブログや東大のホームページでは、SPHの統計学の試験は統計検定2級レベルのものであると書かれていますが、実際はそんなに難しくないです。
統計検定2級の問題集も買いましたが、出題される問題の形式が全く違うので、ぜんぜん開きませんでしたね。
代わりに使ったのが「統計学演習(培風館)」です。
この問題集、まさにSPHの統計の試験の問題と傾向がドンピシャです。この一冊をひたすら解いていれば、SPHの統計は問題ないと思われます。試験に臨んでも、問題を見た瞬間に「ああ、あの解き方でいけるな」とパッと思い浮かべられるようになるはずです。


文系出身者には辛いと思われる統計、地道に頑張るしかないですね。
試験対策の時間がない方も、統計だけは前もってコツコツやっておいた方が良いかもしれません。